【セルフインタビュー】あさはかな夢みし(中編)女の友情とは?

書物にのめりこんでは妄想に耽る平安腐女子・夢子。そんな夢子に書物を売り、妄想トークの相手も務める草紙屋・くれ葉。宮仕えの同僚であり、夢子同様に妄想たくましい右近と瑠璃。話が進むに従ってページにひしめくほど増えていく登場人物の秘密とは?

ーー『あさはかな夢みし』は、サブキャラ多いですよね。


瀧波:なんか増えちゃったんですよね。でも1巻では、夢子とくれ葉のふたりでじっくり進めてます。

ーーくれ葉は貴族の邸宅を訪問して書物を売る庶民ですが、これは史実をもとにしているのですか?


瀧波:そういう記録は見たことないんですが、階級社会なので貴族が行くより本屋が来るほうが自然かなと。

伊勢物語『芥川』にケチをつける夢子とくれ葉。(1巻より)

ーーのちに明らかになりますが、くれ葉は在宅介護しながら仕事もしているんですよね。


瀧波:はい、のうのうと生きてる夢子と大違いなんですが、書物という共通の話題があるので、ふたりは親友なんです。プライベートには関与しないタイプの親友(笑)。

ーー趣味でつながっている友情って、趣味さえ続けていれば一生ものですよね。


瀧波:ほんとその通りで、世知辛さの一切ない友情を描きたかったんです。まあ、くれ葉は夢子にたんまり本を買わせて食ってるので、清い友情とはまた違うのですが。

ーーじゃあもし、夢子の資金が尽きたらくれ葉は離れていく…?


瀧波:本を買い取りに来ると思います!

ーーなるほど…!


瀧波:いい値段で買い取りつつ、紙質が悪いけど読むには読める安いやつを売ってあげる。

ーー優しいのか商魂たくましいのか。


瀧波:両方ですよね。優しさと打算は両立します。

ーー女の友情は深いですね。では次回は、他の女子キャラとの関係について伺います!


(つづく)

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